中古車オークションの手段

中古車オークションは、一日にこなす量が多いということや、中古車という大きなものを売買の対象として扱うという特徴から、オークションの公正性や正確性、スムーズさの確保などの面で様々な工夫や試行錯誤が重ねられてきているオークションで、いくつもの画期的な手段の開発や取入れが行なわれてきました。

中古車オークションが始まった当初は、以前の築地市場と同じように、自動車販売業者やJUなどの組合、中古車オークションを主催している企業などが下取りで買い取ったり集めてきたりした中古車を、目の前に現物を置いてそれを見ながら、その状態に応じた金額で中古車販売業者が落札をするという形をとっていました。

中古車オークションは基本的に手セリで行われており、場所も空き地やデパートの駐車場など、何台も自動車を並べられるところで不定期に開催されていました。

そんな中、昭和46年(1971年)に後に中古車オークション運営会社となる日本オートオークション協会(JAA)が中古車販売業者のいくつかと共同出資によって発足し、東京都墨田区押上に、日本で初となる常設の中古車オークション会場を作りました。

これは、それまでは現物である中古車を目の前に実際に出してきて、回したりして全体図を参加者に見せ、セリを行っていましたが、現物である中古車を目の前に実際に出してこなくてもよく、テレビ画面を通じて中古車の状態を確認し、中古車オークションを進めていこうというものでした。

これは、株式会社オークネットが取り入れた中古車オークションの方法で、衛星通信と地上回線を独自のネットシステムで組み合わせることで、現品の自動車を中古車オークション会場まで持っていかなくても、テレビ画面によって出品されている中古車を確認することができるというものでした。

当初は560社ほどの参加会員数でしたが、現在は7000社を超える会社が参加しており、中古車販売店にとっても出品者にとっても非常にメリットのある方法となっています。

しかし当初は、現物も見ないのに買うことはできないという業者の強い抵抗にあい、あまり歓迎されませんでした。

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認定検査員制度

オークネットは、プロの認定検査員制度という制度を作って1台ずつ公正かつ厳正に検査をするようにし、さらにその検査結果は車両情報とともにデータ化させるようにしました。

このデータ化させた中古車に関する情報は、車両映像や番号プレートとともにオーネットに送られ、オーネットの方では出品番号をつけて振り分けて中古車オークション当日にはこのデータを専用端末機会で確認できるようなシステムを作り上げました。

このときオークネットは始めたプロの認定検査員制度は、後に株式会社オークネットインスペクションサービスとして独立し、現在では厳しい研修と試験をパスしなければ検査員になれないシステムとなっています。

このようなシステムを確立したことにより、中古車オークションの会場では現物の中古車を目にすることはほとんどなくなり、テレビオークションがメインとなりました。

また中古車オークションにおいてもうひとつのターニングポイントとなったのは、昭和50年代後半まで行なわれていた手セリの方法に、昭和53年(1978年)頃からポスシステムが導入され始めたことです。

以前行なわれていた手セリでは、セリを取り仕切る「オークショニア」は中古車オークションの花形職業となっていました。

しかし、オークショニアの疲労による入札コールの聞き流しというミスや、特定の業者に便宜を図っているのではないかという疑いが生じたことにより、オークショニアへの不信感が募るようになってきてしまいました。

ちょうどその頃に機械で行なわれている牛のせりを見たことがきっかけで、中古車オークションにも牛のセリと同様のポスシステムが導入されることとなりました。

これも導入当初は、様々な問題を引き起こし、手セリの方がいいのではないかと言われた時代もありました。

しかし、その後システムの改良と改善、方法の試行錯誤を重ねた結果、現在の中古車オークションの形が整い、数多くの中古車オークションをこなせるようになりました。

現在の中古車オークションは、このような試行錯誤と改良の結果、生み出されたものなのです。